ホームベーカリー
妹がいつも美味しいパンを焼いてもってきてくれる。
食やすい大きさにスライスしてラップして、冷凍バックにいれて、冷凍保存する。
毎朝、コーヒーをいれて妹のパンをトーストしていただくのが私の一日の始まりです。
一日の活力
昨年90歳で亡くなった母も80歳まで自宅でパンの先生をしていた。
日本ベーカリースクールというパン教室の師範を務めていた。
いつも実家ではパンの生徒だんが来てパンを焼く香ばしい香りと笑い声にあふれていた。お土産のパンをいっぱい抱えてお帰りになる生徒さんたちの満面の笑顔が母の生きがいだった。
そんな母がオーブンの温度の調節が分からなくなった時に
パンの先生をやめた。それから認知症が一気に悪化していった。
生前、母はいつも私に言っていた。
「パンは生き物よ」
パンを作るときの気温や水加減、塩加減、捏ね加減、発酵次第、焼き具合でその出来上がりは違ってくる。
だから、出来上がってみないと出来栄えはわからない。
一発勝負❣
なので、生き物なのである。っと、、、、、
パンを作る工程は時間がかかるして、待ち時間も長いし、まるめや成型など技術的が必要。習うことが多すぎる、私には絶対無理。
パンは買うことにした。あるいは妹に作ってもらうことにした。
母は私に
「あなたはレッスン料を払わないからパンは教えない!」
っと冗談で言っていた。
まだ若くて色々なことに興味があったころの私は母が寝静まった夜中に、母のレシピーを書き写したものです。
母のレシピーノートは小さな字で色々なことが書き込んであった、コツや失敗談や
分量の微調節、情報の宝石が散りばめられたようなノートであった。
そのノートは今は妹が保管してくれている。
母のお葬式にはパンの生徒さんがいっぱい来てくれて、母を忍んで泣いてくれた。
母の素晴らしい人生に彩を加えてくれた「ホームベーカリー」に感謝して止まない一日だったことを私たち姉妹は忘れないと思う。
パンは生き物、愛があります。